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Mind Over Matter 思考の限界

090503Melbourne_mk_060_w.jpg私にできることの中で一番のことは、あなたに与えられているものを映し出し、考えることのきっかけになることです。安らぎを感じることの可能性を考えるきっかけになるかと。
 色々な意味で、あなたと私はそっくりです。私たちには人間として必要なものがあります。それは社会や宗教によってつくられたものではありません。満足や安らぎは基本的に必要なものです。安らぎ(平和)と言葉で言うのは簡単です。でも実際それは何でしょう? そよ風の音を聞くこと? 交通渋滞がないこと? 飛行機や電車の騒音がないこと? ある人たちにとってはまさにそれが平和、安らぎなんです。騒音には本当にいらいらしてしまい、それがないときの状態を平和(ピース)と呼ぶなんて残念なことです。
 それとも平和とは感じるもの、つまりフィーリングなのか?  その否定しようのない気持ちは思考の産物ではありません。私たちのもとにやってくるものすべては、思考の産物です。良い知らせを聞けば「やったー」と思い、悪い知らせを聞けばがっかりします。いらいらを感じるのにそんな大したことは必要ありません。運転中誰かがクラクションを鳴らすだけでいらついてしまう。他の誰かに対して鳴らしていたとしても、「このやろう!」となってしまう。

090503Melbourne_mk_103_w.jpg 息子か娘が落第したとわかれば、あなたは動揺するでしょう。ところで、安らぎとは、単に動揺しないことですか? 悲しいかな、ある人にとっては動揺しないことが安らぎです。確かに無気力で、何事に対しても無反応な人々がいます。でも、安らぎが平和って何ですか?
 思考からは生まれないものがあります。それは感じることしかありません。疑問の海ではなく、答えの海に浮かぶもの。私たちは、すべてに疑問を持つように教えられてきました。でも、答えをどのように受け取ったらいいかは学んでいません。あなたの人生。あなたの命。ここに生きているとはどういう意味でしょう?
 人は本を読みます。それはいいことです。私のオフィスの壁の一面は本で埋まっています。でも、人は本に何を求めているのでしょうか? 本が答えをくれるとでも? 本が空腹を満たすとか? 美しい水の写真集がありますが、それでのどを潤すことができるのでしょうか?
 「お腹はすいていない、お腹はすいていない」とだけ言ってもしょうがありません。先日、早くに目が覚めて、軽い朝食をとりました。それから講演に向かった。私のお腹はぐるぐるいっていました。「いや、お腹なんて減っていない」と思い込ませようとしました。でも空腹はやみません。気力でなんとかできると思うかもしれませんが、根本の部分、現実のところはどうしようもありません。

090503Melbourne_mk_147_w.jpg あるとき、父がたくさんの聖者が集う場所を訪ねました。一人の男が、片足で立って神に祈っていました。そこには立て札があって、私は何週間も片足で立ち、ひと言もしゃべっていないと書かれていました。父は彼の前に立ち「嗚呼(ああ)、神よ。なぜあなたは彼に2本の足をお与えになったのですか? 彼はそれを使っていない。なぜ口を与えたのですか? 彼はそれも使ってませんよ」。この男はウグッとなり「なんてことを言うんだ!」と言うなり、片足をおろしてしまいました。
 さて、平和ってなんですか? 私は平和を感じたことがあるし、毎日感じることができます。でも、どんな感じかは言えません。砂糖がどんな味か言えないのと同じことです。私が味わっているものを知りたければ、あなたもそれを味わう必要があります。そのとき、そしてそのときだけ、あなたは私の言っていることを理解できるでしょう。
 この人生は贈り物です。私は、理解する力がなくなる前に、できる限りはっきりとそのことを理解したいんです。この奇跡のことを知りたいんです。奇跡が何であるのかを本当に理解するには、それが奇跡だとわかる目が必要です。注視すべき奇跡、それはやってきては去っていくこの呼吸です。どこからともなくやってきて、どこへともなく去って行く。この呼吸から命、すなわち人生は始まります。この命が他の奇跡を可能にします。存在し、感動することができる。生きていることに感謝することができます。優しさを感じて、優しさを与えることができます。
 すべては良好だと知ることだと、皆、困難なときにだけそう考えます。あなたはいつも大丈夫だと知っていますか? いつもそうだったし、これからもです。皆、何かを恐れています。でもあなたの中には怖がってはいけないものがあります。それは人生を楽しむ力です。理解する力です。

Prem Rawat

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